こんなタイムカード危険です

こんにちは。

名古屋丸の内の女性社労士、望月麻里です。

今日は名古屋も台風の影響が大きく、朝から雨です。

明日も大荒れのようなので、引き続き警戒していきたいと思います。

さて、本日のブログはこんなタイムカード危険ですという内容になります。

手続きや給与計算を行っていると、様々なタイムカードを見ます。

「これリスクあるなあ」と思うものが沢山あるので、今回は危険なタイムカードをご紹介します。

①印字が薄く、全然時間が分からないタイムカード

こちら、上記写真のようなタイムレコーダーで印字するタイプのタイムカードです。

おそらくインクが無く、ほぼ白紙の状態なので時間の確認ができないものをお見かけすることが多いです。

時間の確認ができないということは、正しい労働時間が把握できないということです。

給与計算の誤りにも繋がるので、

・タイムレコーダーのインクが薄くなったらすぐ補充する

・タイムカードの印字が薄い場合は、従業員のその場で上から数字をボールペンでなぞってもらう

など、対策をしておきましょう。

②労働契約した出勤時間と退勤時間だけのタイムカード

このタイプの出勤簿、非常によく見ます。

出勤9時、退勤17時という労働契約を結んでいたら、全ての出勤簿がこの時間になっているパターンです。

「でも、そういう契約になってるんだから間違いじゃないのでは?」

と思われる方も多いと思いますが、労働時間は契約で決めた時間では無く、実際に働いた時間です。

例えば、会社の指示で朝9時前に出社して皆で清掃をしたり、17時以降も残業のために少し過ぎること、ありますよね。

その場合は9時前も、17時後に働いた時間も「労働時間」です。

労働契約で結んだ時間だけが労働時間では無いので、そのようなタイムカードになっていないかしっかり確認しておきましょう。

③社長が月末に全てのタイムカードを入力している

こちら、②と関連するのですが、社長が全従業員のタイムカードを作成している場合があります。

社長へ「タイムカードをいただきたい」と依頼すると、

「すみません、月末に全部入力するのでちょっと待っててください💦」

と、言われることがあります。

②のように、全部のタイムカードを労働契約で結んだ時間にすれば良いと思い、

月末にまとめて作るパターンです。

これは、本当にリスクが大きいです。

労働時間は、「労働日」ごとに把握しなければなりません。

月末に全てのタイムカードを作成するということは、労働日ごと把握できていないということです。

これでは正確な労働時間の管理ができないので、労基署等から調査の際に指摘を受けることがあります。

対処法:まずは、毎日従業員が自分で勤怠を付けることを徹底させる

エクセルでも、紙で手書きでも、まずは「毎日」「従業員が自分で勤怠を付ける」ことを徹底させましょう。

勤怠を付けるのは社長の仕事ではなく、従業員のやることです。

まずは従業員に勤怠を付けてもらい、社長はその内容を確認し、管理しましょう。

厚生労働省から、「労働時間の適切な把握におけるガイドライン」というものが出ています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000187488.pdf

是非、参考にしてみてください。


今回は、危険なタイムカードについてご紹介しました。

役所からの調査で指摘されたり、給与の未払いの原因になったりもします。

労働時間の正確な把握を、少しずつ整えていきましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。