給与計算に関する怖い勘違い

こんにちは。

名古屋丸の内の女性社労士、望月麻里です。

昨日、

「役所から賃金台帳の提出を求められたけど、

1回も作ったことない!どうしましょう…」

というご相談がありました。

お話を聞くと、そういった書類は作成しなくても良いと

勘違いをしていたとのこと。

こういった給与計算に関する勘違いって怖いなあ…

と、改めて思いましたので、今回はブログに書いていきます。

怖い勘違い①:給与計算システムは契約したらすぐ使える

一番怖いといっても過言ではないのが、こちらです。

言い換えると、「初期設定は必要ない」という勘違いです。

こちら、給与計算システムの売り方も上手なことが原因と個人的には思っているのですが…

「申し込みしたらすぐ使えます!」

という言葉が大きすぎて、IDとパスワードを設定したら

そのまま使えると思われている方が多いです。

月の所定労働日数や労働時間など、必ず自分の会社用の「初期設定」が必要です。

こういった数値も全てデフォルトで入っているので、

何も変更しないとずっと誤った給与計算が続くことになります。

怖い勘違い②:給与計算システムに勤怠を入力すれば、問題なく終わる

給与計算をしていると良く言われる言葉ナンバーワンと言っても過言ではないのが、

「出勤日数とか入力すれば終わるんでしょ?ラクだよね~」

です。

勤怠を入力すれば終わりなのは、賃金体系をとてもシンプルにしていて、

時給のみ、手当も本当に何もないような会社の給与計算のみです。

正社員のような基本給がひと月いくらと決まっているような場合は、

途中入社、途中退職、休職など、色々なケースで金額を日割りにしたり、

欠勤控除をしたりと、ケースに合わせて処理が必要です。

そういった細かな処理も全てシステムがやってくれると思われがちですが、

システムも万能ではありません。

システムでできない処理は、かならず人が手を動かして計算する必要があります。

怖い勘違い③:給与明細や賃金台帳は不要

こちら、今回の相談者様のケースですが、

給与明細や賃金台帳は作成しなくても良いと思われている方が

結構多いです。

実は私も初めて勤務した会社では、給与明細をいただいたことがありません。

賃金台帳も作っていませんでした。

給与明細は発行しないと従業員から求められますし、

「給与明細もらえないってどういうことだろう…」

と、不信感が生まれかねません。

賃金台帳は、法律で会社で作成して保管が義務付けられている書類ですが、

社会保険の調査、助成金の申請、税務調査等々、

役所関係で提出を求められることが多い書類です。

求められてから何年分も作成するのは大変なので、

日頃から作成して整えておきましょう。

怖い勘違い④:手当はとりあえず非課税

こちら、かなりあるあるの勘違いです。

給与明細を見せていただくと、基本給だけが課税になっていて、

その他全ての手当が非課税になっていることが多くあります。

理由を聞いてみると、

「良く分からないけど、非課税にしておいた」

という方が多いです。

手当の課税、非課税を誤ると、所得税の計算がおかしくなります。

手当も一つずつ、課税か非課税か判断して設定が必要です。

怖い勘違い⑤:社会保険料は毎月同じ金額

こちらは、役所が教えてくれる情報ではないので、

「そもそも知らなかった」

という方が多いです。

社会保険料は入社してからずっと同じ金額ではありません。

昇給をしたり、引っ越しで通勤手当が変更になったりと、

色々なケースで社会保険料が変更になる可能性があります。

これを、随時改定(月額変更)と言います。

▼随時改定(月額変更届)厚生労働省
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html

役所から、

「この方対象なので手続きをして、社会保険料の金額変えてくださいね!」

と、連絡は来ません。

自分で判断し、手続きし、給与計算時に保険料を変更することが

必要です。


今回は、給与計算に関する怖い勘違いをご紹介しました。

一つでも当てはまったら、正直危険です。

不安な方は、是非一度ご相談ください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。